将棋界とYouTuber
将棋が好きでよく将棋系YouTuberの動画を見るのですが、ここ1年位でプロ棋士の方も多数YouTubeの世界へ参入されてきたと思います。以下にプロ棋士・女流棋士のYoutuberをチャンネル登録者数とともに一覧化してみました。トップの香川さんはチャンネル登録者数148000人の人気Youtuberとなっています。
(2021年1月時点)
YouTubeはYoutuberの収益を公表していませんが、ネット上の情報を見てみると、おそらくチャンネル登録者10万人超えの方たちはYouTube収益1000万円は越えているのではないかと推測します(ブロガーの『まなぶろぐ』:https://manablog.org/youtube-subscriber-100k/でも登録者10万人で月収100万円と語っています)。
一方で『将棋ポケット』では、女流タイトル戦の賞金から女流棋士の年収を推定しています。それによると、里見香奈女流が1500万、加藤桃子女流が584万と推定しています。
https://shogipocket.com/kana-yearly-salary/
https://shogipocket.com/momoko-yearly-salary/
単純に金額を比較していくと、女流でタイトルを獲得することと同じくらいかそれ以上にYouTubeはお金を稼ぐことができる場所になっているということです(もちろん、棋士の方たちがYouTubeをやる理由はお金だけではなく、将棋の普及やファンを増やすといった理由もあると思います)
現在の将棋タイトル戦の主催は以下の企業によって開催されています。新聞社が将棋のタイトル戦を主催する理由としては広告宣伝効果が見込めることと、将棋と新聞の親和性が高かったことが挙げられると思います(主催棋戦の棋譜・解説を新聞の将棋欄に掲載できる)
しかし、新聞の将棋欄をどれくらいの将棋ファンが見ているかは疑問です。ネットやYouTube上で棋譜や解説情報は多く見ることができるので、一部の高齢のファン以外はほとんど見ていないと思われます。また、ここ数年で新聞社の発行部数は綺麗な右肩下がりのグラフとなっています。
このような事業環境で今後もタイトル戦が新聞社によって主催されるかは疑問です。新聞の発行部数を下げている原因は間違いなくネットの発展にあり、そのネット(YouTube)でプロ棋士・女流棋士がお金を稼げるようになってきているというのは、ある意味皮肉です。新聞社としては将棋界のスターを生み出すことに貢献はしているけれど、そのために用いた費用を回収できていないというか。
今年から叡王戦の主催はお菓子会社の不二家が行うこととなりました。今後、新聞社に代わる主催者がどのように参入してくるか期待したいところです。