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将棋界とYouTuber

将棋が好きでよく将棋系YouTuberの動画を見るのですが、ここ1年位でプロ棋士の方も多数YouTubeの世界へ参入されてきたと思います。以下にプロ棋士女流棋士のYoutuberをチャンネル登録者数とともに一覧化してみました。トップの香川さんはチャンネル登録者数148000人の人気Youtuberとなっています。

名前 登録者数
香川愛生 148000
山口恵梨子 76400
森内俊之 51700
折田翔吾 42900
藤森哲也 42400
村中秀史 39800
伊藤真吾 30400
中村太地 17500
戸辺誠 13600
石田和雄 12000
室谷由紀
鈴木環那
5100
都成竜馬 3790
遠山雄亮 2100
山本真也 1330

(2021年1月時点)
YouTubeはYoutuberの収益を公表していませんが、ネット上の情報を見てみると、おそらくチャンネル登録者10万人超えの方たちはYouTube収益1000万円は越えているのではないかと推測します(ブロガーの『まなぶろぐ』:https://manablog.org/youtube-subscriber-100k/でも登録者10万人で月収100万円と語っています)。
一方で『将棋ポケット』では、女流タイトル戦の賞金から女流棋士の年収を推定しています。それによると、里見香奈女流が1500万、加藤桃子女流が584万と推定しています。

https://shogipocket.com/kana-yearly-salary/
https://shogipocket.com/momoko-yearly-salary/
単純に金額を比較していくと、女流でタイトルを獲得することと同じくらいかそれ以上にYouTubeはお金を稼ぐことができる場所になっているということです(もちろん、棋士の方たちがYouTubeをやる理由はお金だけではなく、将棋の普及やファンを増やすといった理由もあると思います)
現在の将棋タイトル戦の主催は以下の企業によって開催されています。新聞社が将棋のタイトル戦を主催する理由としては広告宣伝効果が見込めることと、将棋と新聞の親和性が高かったことが挙げられると思います(主催棋戦の棋譜・解説を新聞の将棋欄に掲載できる)

棋戦名 主催
竜王戦 読売新聞社
名人戦
順位戦
毎日新聞社
朝日新聞社
王位戦 新聞三社連合
神戸新聞社
徳島新聞
王座戦 日本経済新聞社
棋王 共同通信社
叡王戦 不二家
王将戦 スポーツニッポン新聞社
毎日新聞社
棋聖戦 産業経済新聞社

しかし、新聞の将棋欄をどれくらいの将棋ファンが見ているかは疑問です。ネットやYouTube上で棋譜や解説情報は多く見ることができるので、一部の高齢のファン以外はほとんど見ていないと思われます。また、ここ数年で新聞社の発行部数は綺麗な右肩下がりのグラフとなっています。
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このような事業環境で今後もタイトル戦が新聞社によって主催されるかは疑問です。新聞の発行部数を下げている原因は間違いなくネットの発展にあり、そのネット(YouTube)でプロ棋士女流棋士がお金を稼げるようになってきているというのは、ある意味皮肉です。新聞社としては将棋界のスターを生み出すことに貢献はしているけれど、そのために用いた費用を回収できていないというか。
今年から叡王戦の主催はお菓子会社の不二家が行うこととなりました。今後、新聞社に代わる主催者がどのように参入してくるか期待したいところです。