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世界陸上オレゴン10000mの感想

早起きしてというより夜通し起きていて朝5時からの世界陸上オレゴンの男子10000mをYouTube観戦しました。ある程度予想はしていましたが、やはりアフリカ勢はとてつもなく強くて日本勢は伊藤選手が5000mくらいで集団から離脱して、田澤選手も6000mくらいで先頭から離されていきました。

ラスト1周の段階で8人が残っていたので、優勝争いはし烈になりましたが、ラスト抜け出した世界記録保持者のウガンダ・チェプテゲイが優勝!最近はケニアエチオピアだけでなく、ウガンダがアフリカの1角として台頭してきていますね。イメージとしてはケニアエチオピアはよりマラソンにシフトしていっているようにも思います。

今回、YouTubeコメント欄でも結構辛辣なコメントが多くありましたが、日本勢の結果は仕方がないことなのか、、それとも改善の余地があるのか少しだけ考えてみたいと思います。まず、ラストスパートとしては持ってるスピード能力がDNAレベルで違いそうなので、仮にラスト1周で残っていても勝つのはほぼ不可能でしょう。
では、入賞ラインはどうでしょう?
<入賞者と自己ベスト>

入賞者の今回のタイムと自己ベストが上の図でだいたい26分台の持ちタイムを持っています。。銀メダルのWaithakaが27分13秒の自己ベストですが、レースを重ねていくともっとタイムは伸びると思います。つまり、入賞ラインは26分台の力が必要で、現状、27分18秒の日本記録では、入賞も相当厳しいことが分かります。

では、9位以下はどうでしょうか?ここのレンジでは、26分45秒から27分25秒の選手でひしめき合っています。こう見ると、27分23秒の自己ベストを持つ田澤選手でも致し方ない結果だし、特別格下の選手に負けているというわけでもないと言えそうです。実際、26分45秒や26分55秒のエチオピアケニアの選手でも入賞できていないわけですから。
<9位以下と自己ベスト>


ただ、今回特筆すべき点はアメリカ勢の強さですね。アメリカ勢は3人とも非アフリカ系の選手でしたし、それでいて、4位、9位、12位とアフリカ勢に負けていない結果を残しています。ラストのスピードがある点もそうだし、アメリカ記録も更新しているので、確実に強化が実っているんだろうなと思います。大迫選手も解説で述べていましたが、バウワーマンクラブやかつてのオレゴンプロジェクトといったNikeがサポートしているチームで長距離種目の強化が図られていると思います。

一方、日本は1987年、中山竹通さんの27分35秒から大きく記録を伸ばしているとはいいがたい状況です(主にシューズの進化によるものが大きいでしょう)。
まとめると、今回の田澤選手は後半やや落ち込みが大きかったですが、海外のレベルを考えると、しょうがない結果かなあと受け入れるしかないです。選手はレース後のインタビューで経験を積んで次回のレースに活かしたいと述べますが、本当に必要なことは日本男子長距離が抱える構造的な問題の改革にあるかもしれません。