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2020日本陸上競技選手権・長距離観戦記

東京オリンピックの選考会にもなっている日本選手権の長距離大会を長居陸上競技場
観戦に行きました。最近、大阪での感染も広がっているので開催されるのか不安はありましたが、無事、開催されました。
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1535/

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観客数は3000人ほどでしたが、みなさんいい場所を取ろうと長蛇の列ができています。
もちろん、マスク付けるのは必須となっております。f:id:carthat:20201205140123j:plain

今大会の種目。長距離に絞っている大会のため、長距離種目のみです。
女子3000mSC
男子3000mSC
男子5000m
女子5000m
女子10000m
男子10000m

女子3000mSC

まずは、女子3000mSCから。オリンピックの参加標準記録が9分30秒で、日本記録が9分33秒のため、オリンピック参加のためには日本記録更新が必要条件となります。日本選手権で日本記録更新が必要となると非常に厳しい条件となります。女子3000mSCでは、大東文化大学など学生陣も積極的に走っていました。
エディオンの選手が後半上がってきて9分48秒で優勝でした。
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優勝 石澤ゆかり 9分48秒76
2位 吉村玲美 9分49秒45
3位 薮田裕衣 9分52秒19
4位 山中柚乃 9分53秒61
5位 西出優月 9分55秒01
6位 吉川侑美 9分58秒12
7位 西山未奈美 10分07秒05
8位 瀬川帆夏 10分10秒61
男子3000mSC
男子3000mSCは順天堂大の三浦龍司選手がこの種目で唯一期間外ですが標準記録を破っているため期待大でしたが、なんと直前になって棄権。。この時期は箱根駅伝など駅伝との兼ね合いもあり大変だと思いますが、できれば日本選手権に合わせて来てほしかったと思います。オリンピックは4年に1回のイベントですからね。
スタートライン。一番右側はオープン参加のキプラガット選手。全国高校駅伝での倉敷高校での快走が思い出されます。

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レース序盤は前回リオオリンピック代表の(当時順天堂大学塩尻選手も積極的に集団前方でレースを進めていました。障害をどういう風に飛ぶのかも見ていて楽しい。

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しかし、中盤からズルズルと遅れてきました。。
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後半は愛三工業の山口選手が先頭になって、後続との差を広げて優勝しました。学生時代から日本選手権に出場して今回で9回目の参加だったとのことです。同じチームメイトのキプラガット選手とはレース前に二人で話しているシーンがあって、おそらくレースプランについて話していたと思いますが、予想よりもキプラガット選手の調子が良くなかったのかペースが上がりきらなかったですね。標準記録まで2秒くらいと惜しいレースでした。

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優勝 山口浩勢8分24秒19(初優勝)
2位 楠康成 8分28秒01
3位 青木涼真 8分30秒81
4位 滋野聖也 8分31秒88
5位 塩尻和也 8分34秒55
6位 篠藤淳 8分46秒18
7位 阪口竜平 8分48秒30
8位 潰滝大記 8分51秒13
次のレースに備えて3000m障害のハードルを戻しに行く補助員。今回は大阪の興国高校の陸上部員(?)の学生たちが作業してくれていました。

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男子5000m
次の種目は男子5000m。今季13分20秒の大台を越えていた遠藤日向選手は故障の為棄権。みなさん、ギリギリのところで練習しているため、故障との闘いでもありますよね。
最近はこの男子5000mでは、富士通勢が調子いいのでしょうか。坂東選手、松枝選手がケニア人集団に積極的についていきます。他には服部弾馬選手も先頭集団にいます。

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中盤からは中央大学の吉井大和選手もトップを狙って食らいついていきます。大学一年生ながら素晴らしい走りでした。

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吉井選手との争いを制して坂東選手が力強いストライドで優勝!2位も富士通の松枝選手で年明けのNY駅伝が楽しみです。また、3位になった吉井選手は日本ジュニア記録を更新する13分25秒だったので、また来年の大会も期待大ですね。4位の川瀬選手も皇學館大学の4年生と学生ランナーで若い世代の活躍も見られました。

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優勝 坂東悠汰 13分18秒49(初優勝)
2位 松枝博輝 13分24秒78
3位 吉居大和 13分25秒87
4位 川瀬翔矢 13分28秒70
5位 松村陣之助 13分34秒53
6位 森田佳祐 13分34秒57
7位 梶原有高 13分35秒24
8位 的野遼大 13分35秒63
女子5000m
そして、楽しみにしていた女子の5000m!すでに標準記録を切っている田中選手と廣仲選手にとっては、優勝するがオリンピック参加条件となります。先頭はヤマダホールディングの田崎選手が引っ張って最初の2000mを6分15秒。やっぱりオリンピック代表をかけたレースなので、先頭を引っ張りたくない気持ちはあると思います。このタイムは田中選手や廣仲選手など実力者にとっては余裕を感じられるペースですね。
その後、廣仲選手が先頭をリードして一気にペースアップ。

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ラスト一周まで廣仲選手が先頭でレースを進めましたが、ラストの200mあたりで田中選手のスパートが炸裂して徐々に差がついていきました。スプリント勝負となると中距離を主戦場とする田中選手のほうに分があるでしょうか。f:id:carthat:20201205165734j:plain

廣仲選手としては難しい勝負だったと思います。ラスト勝負には持ち込みたくないため、中盤で引き離したかったが、自分ひとりで引っ張ると疲労度も上がりますしね。ここら辺は男子5000mのようにケニア人選手がレースをリードしていると、また違った展開になったかもしれません。いずれにしてもレースとしては今大会一番面白かったです。
優勝 田中希実 15分05秒65
2位 廣中璃梨佳 15分07秒11
3位 萩谷楓 15分19秒41
4位 西原加純 15分23秒88
5位 川口桃佳 15分24秒24
6位 田崎優理 15分24秒61
7位 和田有菜 15分25秒14
8位 五島莉乃 15分29秒03
女子10000m
女子10000mでは、積水化学の佐藤選手が最初ペースメークしました。レース後のインタビューで話されていましたがチームの戦略的に2000mまで引っ張るとことを決めていたようです。先頭から佐藤選手、新谷選手、一山選手。駅伝・マラソンで活躍している選手が先頭を形成しています。

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2000m過ぎてから新谷選手が先頭に出て、付いたのは一山選手のみ。2000m~3000mのラップは2分57秒と誇張抜きで世界レベルの走りになっています。一山選手も3000m地点から徐々に離れてこっからは独走状態に。予想よりも早く一人旅となりました。

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5000mの通過が15分7秒と、先程の女子5000mの優勝タイムと2秒しか変わらないペース!その後も3分2秒~3分4秒のラップを刻んでいきラストの1000mは3分ジャスト!!
独走でこのタイムは本当にすごくて、従来の日本記録を28秒も更新する大記録でした。
<ラップタイム>
1000m3.02
2000m6.08
3000m9.05
4000m12.05
5000m15.07
6000m18.10
7000m21.12
8000m24.16
9000m27.20
10000m30.20.44
2位になった一山選手も31分11秒の好タイム。前半が早かったので、後半は辛かったでしょうが流石にマラソン選手で、急激な落ち込みはなかったですね。
優勝 新谷仁美 30分20秒44
2位 一山麻緒 31分11秒56
3位 佐藤早也伽 31分30秒19
4位 鍋島莉奈 31分31秒52
5位 矢田みくに 31分34秒39
6位 萩原歩美 31分36秒04
7位 筒井咲帆 31分36秒19
8位 安藤友香 31分37秒71
男子10000m
男子も好タイムが期待されます!大迫選手。今年3月の東京マラソン以来の大舞台での日本のレース。最近は日本で記録会に出たり、YouTubeで神野選手や鎧坂選手との練習風景があったりと日本での生活日数も増えているのでしょうか。
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大迫選手、鎧坂選手、佐藤(悠基)選手、相澤選手、田村選手、伊藤選手と実力者で先頭集団が形成されていて楽しみな展開!OP参加の九電工のコエチ選手、三菱重工のカンディエ選手もナイスペースメークです。特にコエチ選手は前傾気味のフォームでよくこのフォームでスピード出るよな~と驚かされます(余計なお世話ですが)。レース見てて嬉しかったのは、鎧坂選手や大迫選手が積極的に先頭に食らいつく姿勢。ベテラン勢のこういう走りは若手選手にとっても勇気づけられますね。

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5000m通過は13分41秒。日本記録・標準記録を上回るペースで進みます。まったくペースを緩めることのないコエチ選手。付いてこれるのか?と日本人選手に向かって呼びかけているようでもあります。

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ホンダの伊藤選手が諦めずに前に出る走りが印象的でした。

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最後は旭化成の相澤選手が伊藤選手、田村選手との激戦を制して日本記録更新で走り終えました。観客席もボルテージが上がって盛り上がっていました!長居陸上競技場は風も吹き抜けていてじっとしていると寒かったけど、来てよかった~。選手の皆様お疲れさまでした。

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優勝 相澤晃選手 27分18秒75
2位 伊藤達彦 27分25秒73
3位 田村和希 27分28秒92
4位 河合代二 27分34秒86
5位 鎧坂哲哉 27分36秒29
6位 大迫傑 27分36秒93
7位 佐藤悠基 27分41秒84
8位 田澤廉 27分46秒09